「SPCフローリングとは?|特長と選ばれる理由」

新しいフローリングの種類として「SPCフローリング」の注目が高まっています。石灰石を原料としており環境に優しく、さらに施工も簡単という点が人気です。本記事ではSPCフローリングのメリットやデメリットについて詳しくご紹介します。
SPCフローリングとは
SPCフローリングとは、石灰石を主成分とする耐久性の高いフローリング材です。耐水性・耐久性に優れており湿気や温度変化に強いため、キッチンや浴室などの水回りにも適しています。
また施工が簡単で接着剤不要のクリックシステムを採用したタイプも多く、幅広い住宅や施設に最適です。天然素材である石灰石を用いていることから、環境負荷軽減にも役立ちます。そしてリアルな木目や石目調のデザインが豊富で、美観と機能性を兼ね備えた床材として注目が高まっています。
SPCフローリングの市場規模|欧米でシェア拡大中
出典:BusinessResearch,ストーンプラスチックコンポジット(SPC)フローリング市場レポートの概要
SPCフローリングの市場規模は2022年に3億1,770万米ドル、2031年までに12669.69百万米ドルに到達することが予想されています。特に欧米では中古物件をリノベーションして長く使い続けるスタイルが一般的であることから、施工性の高いSPCの流通量が増えていることが理由と考えられます。
また日本でも、従来のフローリングに代わる新しい床材として注目が高まっています。施工性やデザイン性の高さだけでなく、石灰石を原料としており環境にやさしいという面からも人気です。
PVCとの違い
SPCフローリングと似ている床材として「PVC(ポリ塩化ビニル)フローリング」があります。どちらも合成素材の床材ですが、PVCフローリングはポリ塩化ビニルが主成分で柔軟性があり、クッション性が高いという点が異なります。
ただしPVCフローリングは歩行時の快適性に優れていますが、周囲の温度変化によって膨張・収縮しやすいのがデメリットです。一方でSPCフローリングは石灰石を主成分とするため温度変化に強く、高い耐久性と耐水性を備えています。どちらを使用するかは、使用環境や求める特性に応じて選択するのがおすすめです。
SPCフローリングのメリット
ここでは、SPCフローリングの主なメリットについてご紹介します。「SPCフローリングが気になるけれど、決め手に欠ける…」と迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
耐久性が高い
SPCフローリングは石灰石を主成分としており、非常に頑丈で傷やへこみに強い特徴があります。特に家具の重みによるダメージを受けにくく、長期間美しい状態を保てるのがメリットです。
また表面には耐摩耗コートが施されていることから、住宅だけでなく商業施設やオフィスなど人の往来が多い場所にも適しています。メンテナンスコストが抑えられるので、長期的に経済的な選択肢となります。
防水・難燃仕様
SPCフローリングは防水性に優れ、水をこぼしても吸収せず変形しにくいのが特徴です。そのためキッチンや洗面所、浴室周りなどの水回りにも適しています。またシミになりにくく掃除も簡単で、日常のメンテナンスが楽になります。
さらに難燃性が高く火が燃え広がりにくいため、安全性が高い点もメリットです。こうした特徴から、住宅だけでなくホテルや施設などでも広く使用されています。
施工が簡単で温度変化に強い
SPCフローリングは「クリック式施工」を採用したタイプが多く、接着剤を使わずに簡単に施工できます。はめ込むだけで施工できることからDIYにも適しており、専門業者に依頼せずとも設置が可能です。
また寸法安定性が高く、気温や湿度の変化による膨張・収縮が少ないのも特徴です。そのため、寒冷地や高温多湿の地域でも安心して使用できます。床暖房との相性も良く、年間を通して快適な住環境を維持できるのも人気のポイントです。
デザインが豊富でおしゃれ
SPCフローリングは木目調や石目調などリアルなデザインが豊富で、インテリアのテイストに合わせて自由に選べます。最新の印刷技術により、天然木や大理石のような質感を再現しながらメンテナンスの手間を減らせるのが魅力です。
またカラーバリエーションも豊富で、モダン、ナチュラル、ヴィンテージなど多様なスタイルに対応可能となっています。高級感のある仕上がりを忠実に実現でき、空間のデザイン性を手軽に向上させられます。
天然素材で環境にやさしい
SPCフローリングは主成分に石灰石を使用し、有害なホルムアルデヒドを含みません。VOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく室内の空気を清潔に保てるため、小さなお子さまやペットがいるご家庭にも適しています。
またリサイクル可能な素材を使用していることから、廃棄時の環境負荷も低減できます。持続可能な住環境を目指すうえで、エコフレンドリーな選択肢として注目されています。
SPCフローリングのデメリット・注意点
SPCフローリングにはメリットが多いですが、いくつかのデメリットもあります。主な注意点を知っておくことで、失敗しない内装計画にお役立てください。
比較的硬さがある
SPCフローリングは石灰石を主成分としているため、一般的なPVCフローリングやクッションフロアと比べて硬めの質感です。そのため長時間立って作業する場所や高齢の方がいるご家庭では、クッション性の低さが負担になることがあります。転倒時の衝撃もやや大きくなってしまうため、ラグやカーペットを部分的に敷くことで対策するのがおすすめです。
重量が重い
SPCフローリングは、一般的なフローリング材と比べて重量があります。これにより、運搬や施工時の取り扱いが大変になることがあります。特にマンションやアパートのリフォーム時には、建物の耐荷重を確認しておきましょう。高層階での施工では、持ち運びや施工の手間がかかる点にも考慮が必要です。
しかし重量があることで逆に床材がしっかりと安定し、浮きや反りが発生しにくいというメリットもあります。実際の生活において重さが気になる場面は少ないため、総合的に判断しましょう。